Departmental Bulletin Paper 「Vine 動画」を用いた「インフォテインメント教育」〜「マス・コミュニケーション受動」から「エンタテインメント共創」へ〜

田畑 恒平  ,  西条 昇  ,  木内 英太  ,  植田 康孝

Description
情報技術や人工知能の発達によって今後必要となる能力や人材が今までとは大きく異なってくる。多くの人がそう感じ始めているが,問題であるのは,その動きがかなり急速なことである。必要とされる能力が急ピッチに変化するならば,その変化に応じた能力開発も急ピッチで行っていく必要がある。もちろん大学教育の内容も大きく変革していかなければならない。急速な時代変化に合わせた大学教育の変革の必要性を感じた植田・木内・西条・田畑[2015]は,「エンタインメント」と「インフォメーション」を融合させた上位レイヤー概念として,「インフォテインメント(Infotainnment)」を定義した。平成27 年度カリキュラムから本学マス・コミュニケーション学科に創設された「エンタテインメント」コースにおいては,教育コンセプトとして「インフォテインメント」を掲げ,これを学ぶことを目的としてカリキュラムが構築されたが,4 月の導入時期に学生に自己紹介を自らが動画を作成して行うようことを第1 課題として学生に与え,Twitter が2013 年1 月からリリースしている動画共有サービス「Vine」を用いて作成した自己紹介の発表会を2015 年5 月8 日に実践した。動画配信サービスは,ユーザーが投稿した動画を共有する「動画共有」と,ユーザーがライブ放送を共有できる「ライブストリーミング」の2 つから成るが,後期で行なったライブストリーミング「USTREAM」による実習を前に,前期に動画共有サービス「Vine」による実習を予め行うことにより,動画配信サービスに対する初歩的な知識とスキルを学生は習得してくれたことを確認できたため,本稿に事例紹介する。最長で6 秒という極端に短いビデオクリップを簡単に共有・鑑賞できるサービス「Vine 動画」は,「映像制作・流通の民主化」を極限まで達成したアプリであり,「映像に何が映っているか」ではなく,「映像でいかにコミュニケーションするか」が重要になっている「映像コミュニケーション」時代の代表メディアである。「Vine 動画」は,作成者は面倒な編集を行う必要がなく,即座に撮影して共有できる「気軽さ」を有するために,まだデジタルリテラシーの低い演習実習の初期段階においては有効な教育メディアでもある。実際,スマートフォンの操作に慣れた学生にとっては「Vine 動画」の操作は非常に簡単であり,画面をタッチしている間は録画され指を離すと停止する仕組みを大半の学生は短期間のうちに習得して,自ら動画を作成するに至った。結果,今まで「受身」でエンタテインメントを楽しむ方法から自ら参画して作る「共創」へ変換する実習になった。新しい体験の扉を開くためには,斬新なアイデアが必要になる。「Vine 動画」を用いた課題は,アイデア着想から,ネットワーク上での交流による化学反応を経た上でアイデアを形にできる「場」でもある。芸術性が高くオリジナルな映像表現をすること(新体験)よりも,作成行為自体にVine という新しいメディアの表現を構成する追体験が発揮されることになる。Vine のメディア体験は,自らが自らを撮影する行為を実行し,自らが好ましいとする先行するイメージを追体験して自ら創り出すという一連のメディア体験(身体的駆使:物質的かつ身体的な使用)であると捉えることができる。ミレニアルズ(21 世紀世代人)にとって求められるスタイルは,「What 型」から「Why 型」への転換であり,求められる資質は「考える力(イメージ力)」である。コツコツ努力する人間は少なからずいるが,考えながらやる人間はほとんどいない。どうしても近視眼になり行き当たりばったりの刹那的な人が多い中で,先(未来)のことを「考える」人材は貴重である。
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