Departmental Bulletin Paper 千葉県柏市における自死の現状に関する調査報告

中村 真

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本稿は,千葉県柏市における自殺対策事業の一環として行われた「柏市自殺対策研究事業(分析調査)報告書」(平成27 年3 月)の一部を転載したものである。この分析調査の目的は,柏市の自殺予防対策を講じるために必要とされる基礎的な資料を提供することである。柏市から分析調査の委託を受けた筆者が,事前に厚生労働省および同市の許可を得たうえで平成23 年〜25 年の自殺者の死亡診断書および関連データを指標とする集計・分析を行った。まず,柏市における自殺者の実態と全体的傾向を示した。次に,自殺者数が多い30 代,40 代,60 代について男女別に各指標のあいだの関連性を詳細に分析し,自殺者を共通の特徴を有するいくつかの群に分類した。その結果,自殺につながる深刻な問題を抱えていた可能性が高いにもかかわらず,医療・行政・地域からの支援を受けていない自殺者が多いこと,および,30 代男性自殺者に占める独身率の高さが示された。以上をふまえて,自殺防止に向けた対策への手掛かりを導くために,①自殺者の配偶関係,②自殺に影響した傷病の有無と医療・行政支援の有無,③地域コミュニティ,の3 つ観点から分析を行い,自殺の危険性のある人を支援する環境要因として家族,医療,行政,地域,職場が重要であることを論じるとともにそれらを整備・強化する必要性について提言した。
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