Departmental Bulletin Paper <研究ノート>近代中国の思想と革命研究覚書 : 日本からの思想的な要因を中心に
Notes on Modern Chinese Thought and Revolution : With Focus on Ideological Elements from Japan

楊, 際開

51pp.127 - 155 , 2015-03-31 , 国際日本文化研究センター , International Research Center for Japanese Studies
ISSN:09150900
NCID:AC10088118
Description
 溝口雄三(1932~2010)の中国研究は多くの日本学者による日本文化論考と同じく、津田左右吉(1873~1961)が唱えたナショナルな思想史・文化史の枠組みに立脚しているが、筆者は近代中国研究における思想と革命の研究において、近代日本からの思想的な要因という問題に直面し、東アジア全体の動きとからませることで、近代日本の動きを議論の中心に据えようとするのである。
 そこで、本論では、近代中国の思想と革命について東アジアの政治思想という視野から見るにあたり、まずは、かつて徐復観(1904~82)によって提起された「権原」と「法原」の概念をもう一度整理し、定義を加える。次に、この概念を介して、東アジア文明の共同性に立脚し、「日中の文化史的な並行性」(井上章一)の問題に光を当てる。さらに、李贄(1527~1602)の「天と人との分裂」から焦竑(1540~1620)の「宗教折衷」への展開を経ることで、明末の学風をうけついだ山崎闇斎(1619~82)や山鹿素行(1622~1685)らが新たな思想的パラダイムを完成したことを指摘する。そして、最後に、朱子学を中心とする新儒教思想の再構築運動が東アジアという文明単位で行われ、「土着化」の過程を辿りながら、新たな普遍性を生み出し、明治維新や辛亥革命の思想的源流となったことを指摘したい。
 溝口雄三らの提起した「礼治システム」という分析枠組みも、東アジア文明の共同性から、もう一度捉え直す必要があると見なす。
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