紀要論文 EUにおける刑事管轄権の衝突と回避 : 現状と将来

アルントゥ ジン

第49巻 ( 第1号 )  , pp.45 - 67 , 2015-06-30
ISSN:0010-4116
内容記述
 EU 加盟国は,とりわけ,その刑法を調和させることを許すことによって,国内刑法のヨーロッパ化を許容する。それに対して,EU 市民には,「自由,安全,正義の領域」において生活することが約されている。もっとも,我々はその空間からはまだきわめて離れたところにいる。複数の国家に連結点を有する犯罪行為に対して,どの法秩序が適用されるべきかという問題は,ただの一度も解明されていない。むしろ EU 内には,それぞれ自国の刑法の適用範囲が許す限りでは裁判官が有罪を言い渡すことのできる裁判所を有する27の領域があるのである。管轄権/裁判権の衝突の回避はしたがって,EU レベルの解決を必要とする。2009年11月30日の理事会による, 刑事事件における裁判権の衝突回避と調整のための枠組み決定2009/948/JIは,「領域思考」を正当化する解決構造を提唱する機会を逸している。以下の論稿は,枠組み決定を分析し,その欠点を明らかにするとともに,諸国の刑法適用法という実際の問題に取り組むものである。結びには,二つの実際の解決モデルを提示する。そのうちの一つは,著者が先導する包括的比較法研究からなるものである。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/9514/s/7976/

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