紀要論文 馬昂と陳汝言 ―明代天順期の二人の兵部尚書をめぐって―

川越 泰博

(第88号)  , pp.181 - 212 , 2017-09-30
ISSN:0287-3877
内容記述
 一帝一紀元制が創行された明代において、景泰という年号を挟んで、正統と天順という二つの年号をもつ皇帝がいる。英宗である。かれは、捕囚・譲位・幽閉・復位とめまぐるしく翻弄されるという数奇な運命をたどった。英宗の復辟と同時に新年号に決定した天順は、武力等道に背いた方法で天下を取ったとしても、天下を取ってからは道理に順って守るという意味を込め選用されたが、その八年間は奪門の変の功労者たちとその反勢力との対立抗争、その結果としての奪門勢力の没落や政治的諸勢力の暗闘が続いた。このような相対的不安定が覆った天順期に兵部尚書に相前後して任用され、その重責を担ったのが馬昂と陳汝言である。 本稿は、ともに知名度が低く、人物事典にその名を見いだすことが難しい、この二人を取り上げ、かれらの行蔵(出処進退)の考察を通して天順政治裏面史の一斑を少しく素描した。
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