Departmental Bulletin Paper 食物分配に着目した社会的知性仮説の再検討

花塚 優貴

(第87号)  , pp.289 - 301 , 2017-09-30
ISSN:0287-3877
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 本論文では社会的知性仮説と呼ばれる,大脳新皮質の進化の要因を説明するための仮説の再検証を試みた。具体的には従来指摘されてきた種の平均集団サイズという数の要因に加え,新たに食物分配という社会関係の質を反映する要因を組み込み,新たなモデル作成を試みた。霊長類21種を対象とし重回帰分析を用いて検証した結果,霊長類の成体間同士で食物分配が見られる種ほど,大脳新皮質のサイズが大きいことが明らかになった。このことは成体時に他個体と関係形成・維持のために食物を利用できる種ほど大脳新皮質の相対サイズが大きいことを示している。つまり食べ物を消費するという短期的な利益だけでなく仲間との関係を築くという長期的な利益を享受する能力が脳の発達を促した可能性が示唆された。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/10688/s/9611/

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