紀要論文 気象から見る『嵐が丘』

川崎 明子

(第87号)  , pp.113 - 142 , 2017-09-30
ISSN:0287-3877
内容記述
 エミリー・ブロンテの『嵐が丘』には多様な気象が登場する。作品の比喩的な気象については早くから数多くの議論があるが,字義的気象に注目した研究は未だ少ない。そこで本論文は,エコクリティシズムの実践にヒントを得て,『嵐が丘』における気象を,字義的なものを起点として分析する。そうすることで,『嵐が丘』における実際の天気は,第一に現代社会に生きる私たちにとっての天気と大差がないこと,第二に比喩的な意味づけと不可分であることを明らかにする。本論文では,まず字義的な気象の役割と天気の比喩を観察する。次に字義的気象と比喩的気象が一体化した世界観を,キャサリン・アーンショーを中心に考察する。最後に,雪や雨がそこから降下してくる上空を,キリスト教の教義における天国という観点から分析し,キャサリン・アーンショーとヒースクリフの天国観が,根本的にキリスト教的な概念とは異なることを証明する。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/10681/s/9605/

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