Departmental Bulletin Paper 詐欺罪における被害者の確認措置と欺罔行為との関係性(一)-真実主張をともなう欺罔をめぐるドイツの議論を素材として

冨川 雅満

第122巻 ( 第3・4号 )  , pp.183 - 211 , 2015-08-04
ISSN:0009-6296
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 近時、詐欺罪をめぐる解釈学上の問題として、行為者が真実を秘匿していた場合の欺罔行為の肯否が、しばしば議論されている。その際、「被害者がどのような確認措置を行っていたか」が、詐欺罪を根拠づける重要な事情に挙げられている。最高裁も、先の暴力団員によるゴルフ場利用の事例で、被害者の確認措置の実態を精査することで、欺罔行為の存否を検討していた。しかしながら、そもそも被害者の確認措置が詐欺罪の成否に影響を与える理由、およびその程度については、解釈学上、明らかにされていない。さらには、被害者の確認措置が不十分であった場合には、詐欺罪が否定されることになるのか。この点についての説明は、いまだ尽されていない。本稿は、この被害者の確認措置と欺罔行為との関係性を明らかにしようとするものである。その際、行為者が真実を述べていたにもかかわず、被害者が錯誤に陥ってしまった事例、いわゆる「真実主張をともなう欺罔」に関するドイツの議論を手掛かりとする。被害者の確認措置が十分ではなかった場合の欺罔行為の肯否を検討することで、被害者の確認措置が欺罔行為に与える影響を調査するものである。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/9892/s/8392/

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