紀要論文 スイス扶養法の改正について

野澤 紀雅

第122巻 ( 第1・2号 )  , pp.719 - 761 , 2015-08-03
ISSN:0009-6296
内容記述
 本稿は、二〇一五年三月二〇日にスイス連邦議会で可決された子の扶養に関するスイス民法の改正内容を、その主要部分に限定して紹介するものである。なお、国民投票の要求期限が二〇一五年七月九日に設定されているため、この改正が最終的に発効するかどうかは、脱稿の時点では確定的となっていない。この扶養法改正は、すでに二〇一四年七月一日に施行された親の配慮(親権)に関する改正と連動するものであり、父母の離婚や離別後における親責任を規律する改正プロジェクトの第二部として位置付けられている。 本論では、まず、改正の前提とされている状況が整理され(二)、次いで、子の権利の優先(三)、子の扶養としての世話扶養(四)、不足事例への対応(五)という三つの問題について、改正案の内容とその理由、及び改正をめぐる各種の議論がまとめられている。四は、親のなす監護養育を扶養法においてどのように評価するかという、親子扶養法の基本に関わる問題であり、今回の改正の焦点ともなっている。五では、扶養料算定にあたって義務者の最低生活費の留保を認めるべきか否かという、扶養法の理論と実務にとって避けることのできない問題が扱われている。最後に、これら三点について、日本の状況との簡単な比較法的考察が加えられている。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/9684/s/8184/

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