紀要論文 放火罪についての再論

只木 誠

(第121巻/第11・12号)  , pp.439 - 471 , 2015-03-16
ISSN:0009-6296
内容記述
 放火罪については、種々の論点があり、今日でも見解が多岐に分かれる分野であるが、その中でも公共危険の認識と放火罪の既遂時期については、判例・学説上、今日でも争いが多い。いずれの犯罪においても、結果に至るまでの因果の流れを詳細を認識し、また、支配することはできないことがつとに強調されているなか、本稿は、とりわけ放火罪においては、法益侵害の客体、その範囲、その程度が一層不明確である点に特徴があるといえるとの基本的な認識をもとに、行為の効果(結果)については容易に行為者の支配に属し得ない、すなわち、行為者において支配することが可能ではないという「火の非支配的性質」こそが放火罪に特有な性質であるとして、この非支配的性質を基礎に放火罪を検討すべきことを改めて提唱する。そして、それに基づき、公共危険の認識の要否については不要説を、放火罪の既遂時期については独立燃焼「継続」説の正当性を、改めて確認するものである。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/8653/s/6873/

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