Departmental Bulletin Paper 共犯からの離脱、共犯関係の解消

原口 伸夫

(第121巻/第11・12号)  , pp.199 - 237 , 2015-03-16
ISSN:0009-6296
Description
 共犯からの離脱の問題に関して因果性遮断説(判例・通説)が妥当であるが、その際問題とされる因果性の遮断の判断とは別に、共犯関係の解消(新たな共犯関係の形成)が問題とされるべきである。すなわち、共犯からの「離脱」を考えるためには、離脱の対象たるべき共犯関係、つまり、いかなる共犯関係から離脱するのか、ということも問われなければならない。離脱すべき共犯関係が存在しなければ「離脱」は問題になりえないからである。どのような場合に新たな共犯関係の形成と評価されるのかが問題になるところ、当該の具体的な共謀(意思連絡)の内容(犯行の動機、予定された客体・行為態様、役割分担・共犯者の中で占める地位など。計画遂行の障害や状況の変化に応じて予定されまたは許容されうる計画変更の程度なども)をその出発点とし、その当初の共謀内容に照らして、前後の犯罪事象の異同(当初の共謀からの逸脱の程度)、とりわけ時間的・場所的隔たりの有無・程度、犯意・動機の継続性の有無・程度、離脱の際にとった措置などを総合的に判断し、離脱者を除いた犯罪遂行がなお「当初の共犯関係に基づくものといえる」のか否かが判断されるべきこととなる。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/8646/s/6866/

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