紀要論文 工業団地における集積経済と生産活動の理論分析

石川 利治

内容記述
工業団地の特徴は団地内で提供される外部経済,そして外部経済が工場の内部経済と連携して生み出される相乗的効果の働きである。本稿は第1に,これらの内部および外部経済を工業団地に直接関係づけ,これらが工業団地に立地する工場の数と生産量そして工場が享受する集積経済にいかに影響するかを考察した。この考察より工業団地における内部経済と外部経済の在り方の相違により,工業団地内に立地する工場数と各工場における生産量は変化することを明らかにした。ここから工場団地の開発・運営者にとって工業団地の用地規模と誘致工場数のみに注目するのみではなく,誘致する工場の業種性格と具備する施設・機能が十分に検討されねばならないことを示した。第2に,複数の業種に属する工場が工業団地に立地する場合を考察した。同じ業種の工場であっても,工業団地および団地内の業種構成が相違することにより工場数と工場の生産量そして享受する集積経済は大きく異なることを示した。工業団地の開発・運営者と工業団地への立地を計画する企業はそれぞれ,当該業種の生産における性質と工業団地の規模と誘致する業種構成にも配慮すべきであることを明示した。最後に工業団地に工場を立地させる企業の利潤を明示的に分析した。これにより内部および外部経済がいかに企業の利潤に影響するかを明らかにした。さらに,工業団地周辺における交通基盤が賃金率へ作用し,企業の利潤に影響することを示した。これにより工業団地の立地する地域における生産基盤の重要性を明らかにした。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/8484/s/6635/

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