紀要論文 法規範対立ケースにおける民法規範の衝突(2)

執行 秀幸

第12巻 ( 第1号 )  , pp.69 - 88 , 2015-06-30
ISSN:1349-6239
内容記述
 法学教育にとって、学生が複雑な法的問題を独力で解決できるようにすることは、きわめて重要ではあるが容易ではない。認知心理学の知見からすると、熟練した法律家は、構造化された法的知識と適切な方略(一定の解釈問題を、具体的にどのような順序で、どのように考えていけばよいかという実践的な方法)を使って複雑な法的問題を解決しているものと思われる。しかし、そのような方略が必ずしも明らかになっていない。さまざまな方略が問題となるが、まずは、筆者は、民法の解釈の方略を探求してきた。その方略は、問題の型により異なるとの仮説のもとに、次のような4つの類型を定めた。①その規定の文言等が明確でなく、適用されるか否かについて議論の余地がある場合、②文言からすれば適用されるが、その結論の妥当性につき議論がある場合、③その事案に適用される規定が存在しない場合のように、民法の規定を見つけることが困難な場合、さらに、④適用可能性のある複数の条文・ 規範の関係につき争いがある場合である。このうち、①②については、すでに検討し本誌に発表した。そこで、本稿は、④を、その中でも、複数の法規範を援用する者が同一人ではなく、相対立する者同士であるケースを中心に、そこでの判例・学説・議論等から法律家の解釈の方略を探求していこうとするものである。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/8382/s/6523/

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