紀要論文 資料から見たケンブリッジ学派研究の現状と課題 ―カーンの資料を中心として―

袴田 兆彦

(第46号)  , pp.635 - 661 , 2015-09-30
ISSN:0285-9718
内容記述
 ケインズの死後,ハロッドは彼が遺した文書を元に『ケインズ伝』を書いたが,1971年にCollected Writings of John Maynard Keynes の刊行が始まり,資料が一般に利用可能になるにしたがって,ケインズ経済学の学史研究が盛んになった。1980年代になるとジョーン・ロビンソンやスラッファ,カルドア,それにカーンも亡くなった。彼らが遺した文書も利用可能となり,研究対象もケインズ経済学からケンブリッジ経済学へと広がった。マルクッゾを中心とするグループは,ケンブリッジに関わる経済学者の関係を,彼らの間で交わされた手紙を使って解き明かした。ケンブリッジ学派の研究を進める上では,手紙にとどまらず,講義ノートやケンブリッジ独自の教育システムである個人指導の資料が利用できれば,学説がどのように伝わり,どのように変わっていったのかを考える手がかりを得られる。幸いにしてカーンの資料は比較的よく保存されているため,ケインズやショーヴによる経済学教育の実態が明らかになる可能性がある。
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http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/binary/p/8164/s/6220/

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