紀要論文 1940年代末中国共産党内における経済政策の相克 ―劉少奇の「天津講話」をめぐって―

杜崎 群傑

(第46号)  , pp.531 - 549 , 2015-09-30
ISSN:0285-9718
内容記述
 本稿は劉少奇によって行われた,いわゆる「天津講話」を中心に,中華人民共和国成立直前の1940年代末における,中国共産党内の政治経済政策をめぐる論争を検証するものである。内戦の勝利を目前にした共産党は,自らの手で中国という国家を建設・運営すべく,様々な行動を起こしていた。しかし,社会主義政党としての共産党は経済政策の失敗による中国国民党の下野を目の当たりにしており,また脆弱な革命政権であるがゆえに,否応無しに社会主義的政策に一定の距離を置き,ブルジョアジーに配慮せざるを得なかった。 そこで本稿は,こうした共産党によるブルジョアジーへの配慮として象徴的な劉少奇の天津講話を分析することによって,当時の共産党の経済政策の実態を明らかにする。さらに天津講話に対する論争を手がかりに,共産党内における経済政策の相克についても検証する。これはまさに,共産党がいかにして政治経済政策を通して大衆の同意=正統性を調達しようとしていたのかを検討することに他ならない。
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