Departmental Bulletin Paper Do social factors in adolescence and adulthood foster a sense of coherence? - A 2-year follow-up study of Japanese men and women
sense of coherenceを規定する思春期及び成人期の社会的要因~日本人成人男女における2年間の追跡調査から

戸ヶ里, 泰典  ,  Taisuke, Togari

Description
 ストレス対処力概念であるsense of coherence(SOC)は社会経済的な生育環境や地位によって規定されるとされている。そこで日本人成人を対象として15歳時の親の社会経済的地位、学業成績、学歴、現在の職業、経済状況がSOCの高低、ならびに2年間の変化にどのように関連するのかを明らかにすることを目的とした。2007年に日本国民で満20歳以上40歳以下の男女を性、年齢、居住都市による層化2段無作為抽出し、郵送自記式質問紙調査を行ない協力を得た4,800名をベースライン調査対象とした。2年後に追跡調査を実施し回答した3,605名(追跡率75.1%)を分析対象者とした。 SOCを従属変数とし社会的各要因を独立変数とした階層的重回帰分析の結果、男性、女性ともに、ず思春期における家庭の経済的状況が豊かであったこと、学校における成功体験があったことは、直接現在のSOCとの関連性を持っていた。また、父親の職業、家庭が経済的に貧しかったことは、現在のSOCに対して直接の関連性は持たず学業成績あるいは学歴を介して間接的に影響していた。また、非正規雇用のブルーカラー職と無業者であることは、男性、女性によらず、また、世代によらず、また、思春期の社会経済的な状況、学歴によらず正規雇用の専門・技術職よりも低いSOCが規定され、現在の経済的状況を介した間接的な関連性を持っていた。 以上よりAntonovskyによるSOCの形成に関する理論を概ね支持することができ、また特に、思春期の学校における成功体験は有力な形成要因としてSOC形成の理論において重要な位置にあることが明らかとなった。また、SOC形成を促す要因のうち、親の職業や学歴は必ずしも決定的な要因ではなく、現在の職業や経済的状況の影響を受けやすいことが明らかとなった。また、健康生成モデルは健康の階層間格差・不平等発生のメカニズムを説明しうる1つの理論として位置づけることができるものと考えられた。
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