紀要論文 地域包括ケアシステムで複雑な生活問題を抱える高齢者の生活支援は可能なのか ─精神的な障がいをもつ養護老人ホーム入居者の生活歴から─
Difficulties of Livelihood Support for the elderly without the point of view,which has mental disability’s approach: Study on Life History Case Studies of Frail Elderly’s Relief Institution

山田, 知子  ,  Tomoko, Yamada

内容記述
 地域包括ケアシステムにおいて、生活支援が多様な供給主体によって提供されることが想定されている。地域には複雑な生活問題を抱える高齢者が暮らしていて、生活支援の在り方によって、その生活の質は左右されるため、そのあり方が問われる。本研究の目的は、複雑な生活問題を抱える高齢者の効果的な生活支援の在り方を明らかにすることである。研究の方法は、養護老人ホームに入居している高齢でかつ精神的障がいを持つ人々の生活歴を調査し、生活困難に陥った過程と要因を明らかにし、地域生活にとって何が必要であるかについて分析した。 研究の結果明らかになったことは次の3点である。 第一に高齢者の生活支援をめぐる政策的動向は、自己責任を中心におき、さらに共助でフォローするというもので、公的責任は最後の段階である。このような政策的方向では、自力で生活を再建できない人々は地域社会のなかで取り残される危険性がある。 第二に養護老人ホーム入居者の生活歴調査の結果、精神的障がいを持つ人々は、適切な生活支援が提供されないために、症状も安定し、地域生活が可能にもかかわらず、施設入所に至っていた。精神的な障がいを持つ人々への生活支援が退院後にすぐに提供され、個別性の高い生活支援の体制が構築される必要がある。 第三に高齢で精神的障がいを持つ人々の生活支援を具体的に提供する場合、精神障がいの実践分野で培われてきた「当事者中心」の支援の方法が有効である。病院を入退院している高齢で精神障がいを持つ人々を引き受けるにたりうる地域包括ケアシステムの体制を構築する必要がある。
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