Departmental Bulletin Paper 幼児の自由画にみられる性差の特徴 -幼児の造形教育専門家による7つの評定項目から-

島田, 由紀子

Description
 本研究は、幼児の自由画にみられる性差の特徴を把握するために、自由画を構成する要素として考えられる技術面として「色彩」「描写力」「技法」「構成」、創造性として「着想」「自由さ」、そして「主題」という7つの項目を設定し、幼児の造形教育専門家の4名(男性2名、女性2名)によって評定を行った。この調査の対象は4歳児、5歳児クラスの302名の幼児(男児154名、女児148名)による自由画である。自由画の描画材は、16色のクレヨンと画用紙を用いた。 評定の結果、7つの評価項目のうち5項目の「色彩」「描写力」「技法」「着想」「主題」については、女児の方が男児よりも評定の数値が高いことが確認された。「色彩」についてはこれまで指摘されてきたように女児の関心の高さがうかがえる結果であった。「技法」については女児の自由画にはクレヨンの筆致やぬり方の工夫がみられ、それはぬりえ遊びとの関連も示唆された。「着想」は「色彩」「描写力」「技法」の評定項目より平均点の性差が小さいものの男児よりも女児の平均点が高く、女児の方が創造性の高い自由画であると評定される傾向がみられた。「主題」では女児の方が描きたいことが明確であり、発想が新鮮で個性的な表現をしていると評定される傾向にあることが明らかとなった。技術面で平均点の性差が大きく、女児の方が描画発達の早さが反映された結果となった。有意差が認められなかった「構成」と「自由さ」の平均点は性差が小さいことから、これらの項目では性差の特徴が小さいと考えられた。 「色彩」「描写力」「技法」「着想」「主題」において、男児よりも女児の平均点が高いということが明らかとなったことから、描画発達のより具体的な女児の早い発達を確認することができたと同時に、男児と女児それぞれの自由画の相違がどの構成要素に現れているのか具体的に示すことになった。
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