Departmental Bulletin Paper 造形活動に関する保育者の意識-保育系学生との比較検討-
Attitude survey of care providers about formative activity-comparison with the date of students majoring childcare-

島田, 由紀子

Description
 保育者は日々の保育の中で、幼児を理解し、よりよい成長につながるよう配慮し、学生は実習という限られた時間や条件の中で、保育を学び幼児を理解しようとしている。これまで保育における造形活動の事前の準備から活動中、さらに活動の展開案までを通じた報告はほとんどされていない。そこで保育者の造形活動の実態を把握し、保育系学生の実際との比較検討を行うことを目的とする。造形活動を実施するに際し、保育者は何を重視し、どのような問題を抱えているのか、造形活動にどのような意識を持っているのかなどについて質問紙調査を行った。この調査結果により、保育者の造形活動での視点や工夫、抱えている問題について把握することができる。さらに、保育系学生に行った同様の調査結果と比較することで、保育者との相違を明らかにし、学生が保育者となる前までに補う必要がある知識や技術について、専門科目や実習事後指導で習得する内容につなげることができる。 調査の結果、造形活動では保育者も学生も「季節や行事とのつながり」「幼児の発達」を重視していた。保育者は重視することが定まっているので回答が集中し、学生は幼児も実習生としての立場も重視しているので分散する傾向がみられた。保育者は幼児の発達や思いを重視し、一人ひとりに応じた言葉がけを行い、さらに表現が育まれる配慮がなされていた。学生の言葉がけは「上手」「頑張ったね」に集約され、工夫や特徴や、制作過程に着目する余裕が時間的にないことが予想された。保育者も学生も保育雑誌や書籍、授業での題材を用いて造形活動を行うことが多いが、幼児に合わせて内容を変えていた。保育者の方が造形活動に対する「苦手意識」や「嫌い」という傾向が強いが、それが既存の題材やアイデアを応用することにつながっていると考えられた。また、保育者は自ら設定した活動が幼児の思いに沿ったものなのか考え、学生は説明の仕方や時間配分など実習の評価を気にする傾向があった。これらの結果から、保育者が、より幼児の思いに沿った保育を実践し、造形活動への意識を変えるためには教材研究が有効だが、多忙によりその時間を確保することは難しく、研修を活用する可能性が考えられる。学生は評価されることを意識し過ぎず、実習をとおして幼児と向き合い、幼児の実態に応じた造形活動が実践できるようにするために、授業や事前指導で幼児の姿を予想するための準備が必要不可欠であることが考えられた。
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