Departmental Bulletin Paper 青年心理学における親の期待に対する反応様式の授業実践
Practical lessons in adolescent psychology regarding styles of reaction to parental expectations

池田, 幸恭

Description
 本研究の目的は、筆者が担当した講義「青年心理学」における2012年度と2014年度の親の期待に対する反応様式の授業実践を比較することをとおして、大学教育における青年心理学について検討することである。教育目標が定まらずに授業内容を詰め込み過ぎたこと、個別作業が抽象的過ぎてそれに続く討論が深く掘り下げられなかったこと、親の期待を感じていない学生が授業に参加しにくかったこと、という2012年度にみられた3つの課題について、2014年度の授業実践では改善を試みた。授業効果については、「この授業はおもしろかった」「他の人が感じている親の期待について知ることができてよかった」「他の人の親の期待に関する考え方が参考になった」「今まで気がつかなかった自分の一面を発見できた」の得点が、2012年度に比べて2014年度で大きかった。授業全体の感想は、「親の期待に関する重要性」「親子関係の共通点」「親子関係の多様性」「他者の親子関係を知る意義」「自身の親子関係のふり返り」というカテゴリーにまとめられ、さらに「親の期待に関する重要性」には「親とのコミュニケーションの重要性」「親の期待調整の重要性」「自分の意思尊重の重要性」「親への反発の重要性」「親の期待そのものの重要性」という5つの下位カテゴリーが見いだされた。そのうち「他者の親子関係を知る意義」と「自身の親子関係のふり返り」の件数が、2012年度に比べて2014年度で増加した。これらのことから、一定の授業改善の成果がみられたと考えられた。また、授業効果を尋ねる項目得点と親の期待を感じている程度の間の有意な相関係数が2012年度に比べて2014年度で少なくなったことから、2014年度の授業実践では親の期待を感じている程度にかかわらず授業効果が示された。したがって、親の期待を感じていない学生が授業に参加しにくかった状況にも、改善がみられたといえる。以上の親の期待に対する反応様式の授業実践を踏まえた上で、大学教育における青年心理学について、「問い」という視点から次の3点を論じた。第一に、大学生が抱く「問い」を活かすことである。第二に、「問い」への正解を無理に求めるのではなく、大学生が持つ可能性を広げることである。第三に、大学生への「問い」をとおして、「問う存在」と同時に「問われる存在」としての自覚を促すことである。
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