紀要論文 多読学習用リーダー・コーパス構築と分析 : 学習者が感じる「難しさ」の解明へ向けて
Compiling and Analyzing Reader Corpora : Toward Revealing Factors Affecting Learners’ Sense of “Difficulty” in Extensive Reading

加野, まきみ

49pp.183 - 200 , 2016-03 , 京都産業大学
ISSN:0287-9727
NII書誌ID(NCID):AN0006019X
内容記述
多読学習は大学の英語教育の場で,その効果が広く認められている課題の一つである。多読学習には通常,外国人学習者のために語彙・文法などが調整されたGraded Reader(以下GR)が使用されるが,本学ではGR に加えてYouth Reader(以下YR)と呼ばれるネイティブスピーカー用児童書も合わせて読むことを勧めている。しかし,YR に対して「難しい」と感想を述べる学習者がいるということをきっかけに,筆者は「難しさ」となり得る言語的特徴は何なの か解明しようと試みた。本稿ではGR とYR のコーパスを構築し,YR の特徴を探った。その結果,YR はGR と比較して,基本1000 語の語彙の割合が少なく,それ以上のレベルの語の割合が大きい,レベル毎に語彙レベルが着実に上昇している,受動態の割合が高くしかも動詞句の構造が複雑である,基本語に大きな頻度の差がある,1 単語が複数の語法で用いられる,複雑な文構造が見られる,叙述的な表現が多いなどの特徴があることが分かった。これらは学習者が「難しい」と感じる要素となり得ると考える。これまで多読学習の現場で使用されてきたものの,その言語学的性質について十分には分析されてこなかったYR をコーパス言語学的にGR と比較することによって,その特徴を明らかにした。
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http://ksurep.kyoto-su.ac.jp/dspace/bitstream/10965/1325/1/AHSUSK_HS_49_183.pdf

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