紀要論文 小十郎と金天狗:宮沢賢治「なめとこ山の熊」の時代

渡辺, 善雄

内容記述
 本稿では宮沢賢治「なめとこ山の熊」(高校教材)の時代設定を解明する。小森陽一氏は明治40年の公有林野の監督を強化する森林法改正によって、小十郎は山から締め出されて猟師になったとする。しかし、小十郎が熊の皮を売りにいく荒物屋には、民営煙草の金天狗が並んでいた。従って、煙草専売法によって金天狗が消滅する明治37年以後の物語ではない。 その事実誤認を『新編 国語Ⅰ』(教育出版)の教師用指導書は盲信して、「明治の後半から大正にかけての物語」と拡大解釈した。学界で著名な小森氏の事実誤認が検証されることなく、指導書を通じて広まっていく。その構造に国語教育の大きな問題が潜んでいるのではなかろうか。教師も指導書の記述の是非を吟味してから、授業で用いる必要があろう。
本文を読む

https://mue.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=535&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報