紀要論文 高齢者をとりまく社会環境における効果的なコミュニケーションについての考察、ホスピタリティの観点から―世代差が原因で生じるコミュニケーション・ギャップが、Quality of Life に及ぼすマイナスを防ぐために―

篠崎, ひさこ

内容記述
戦後の第一次ベビーブーム、1947年から1949年の間に出生した団塊世代といわれる人々が前期高齢者(65歳から74歳)に属している現在、介護施設の不足や介護スタッフの不足など早急に解決されなければならない問題が多く発生している。訪問介護や民間の借り上げ老人施設も以前にも増して注目を集めている。本研究では、高齢者の利用が多い宿泊施設、スポーツ・レクリエーション施設などで生じているコミュニケーション・ギャップに着眼し、そこで交わされているコミュニケーションはどのような改善策が考えられるのかを検討する。 施設を利用したいのに意思疎通が難しいからという理由で遠ざかる高齢者。高齢者との意思疎通が難しい、高齢者同士の声高な言い争いに閉口する介護スタッフ。高齢者の意思が上手く理解できない家族。様々な場面で直面するコミュニケーションについて、介護スタッフの立場で高齢者にアプローチを試みる先行研究や書物はある。しかしながら、サービスやホスピタリティの概念から高齢者の言語コミュニケーションや非言語コミュニケーションについて論じている研究は少ない。本研究では、ホスピタリティやサービスの顧客満足度の核となるのは、コミュニケーションに対する評価であるととらえ、介護スタッフ(以下サービス・スタッフと呼ぶ)という「人財」のコミュニケーション力向上を最重要課題として検証していく。さらには顧客(高齢者)側のコミュニケーションについても(顧客管理)という視点から、高齢者世代の分析とともにその改善策について論じていく。日本の統計調査では65歳から74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者としているが、国連では60 歳以上、世界保健機構(WHO)では65 歳以上としている。本研究では高齢者を65 歳以上とし、認知症高齢者を含まないこととする。高齢者もInnovation(自己革新)を起こし、相互理解(Dual Communication)を意識したコミュニケーションを実践するようになると、世代間のコミュニケーション・ギャップの溝が浅くなると論証していく。 そして、「円滑なコミュニケーションによる負担軽減こそ、介護スタッフのES(従業員満足度)を高めることとなり、高齢者には快適なQuality of Life の享受を可能にする。」という方向で論じていく。
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