紀要論文 戦時中のメタフィクション : 織田作之助の『清楚』をめぐって

北野, 元生

25pp.228 - 246 , 2017-11-25 , 佛教大学国語国文学会
ISSN:13424254
NII書誌ID(NCID):AN10591104
内容記述
織田作之助の『清楚』(輝文館、一九四三年九月)は清潔な青春明朗小説である。これまで初出テキストが明確にされていなかったが、筆者の調査によって、一九四三年五月一日から二十九回に亘って、『大阪新聞』の朝刊に連載されていたことが判明した。先行研究では、太平洋戦争中期の荒廃した大阪市街の状況が上手く描かれていることや、作品中に「偶然」を多用していることなどについては一定の評価がされてきたが、今回さらに初出テキストを加えてこの作品を改めて検証した結果、本作品においては、まず①作者が物語内に登場する、②物語内物語(虚構内虚構、劇中劇)の手法が処々に用いられている、③テキスト中に使用されている「偶然」と言う語句には、メ﹅タ﹅言﹅語﹅としての性格が付与されていると考えられた。『清楚』についての考察を通して、この作者のメタフィクション的志向性は戦時中においてもかなり十分に確立されていたことが指摘される。
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https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/KG/0025/KG00250R228.pdf

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