紀要論文 『世間親仁形気』<祝言>の方法 : 「老を楽しむ果報親父」の『文正草子』利用をめぐって

濵田, 泰彦

23pp.249 - 261 , 2016-11-26 , 佛教大学国語国文学会
ISSN:13424254
NII書誌ID(NCID):AN10591104
内容記述
江島其磧『世間親仁形気』最終章段「老を楽しむ果報親父」(巻五ノ三)は、主人公中椀の又兵衛の一人娘おきくが家老と結婚することにより、日雇い人足から屋敷住まいへと急激な身分上昇を伴う話である。当該章段には、娘蓮華姫の婚姻により殿上人に出世する文太を主人公とする『文正草子』の祝言的展開が関与していると考えられる。ただし、「老を楽しむ果報親父」のおきくは『文正草子』の姉妹のような器量良しではなく、将来への期待も極めて希薄であり、祝言的結末は予期され難ったが、奉公先の家老との間に男子を授かったことにより、状況が一変する。その場面では西鶴『武道伝来記』「毒薬は箱入の命」における酷似した状況描写を巧みに剽窃している。このほか、子宝に恵まれない役割を娘の両親から娘婿に変更したり、又兵衛が高家の生活に馴染めないといった障害を挿入する等、種々の操作を行った上で、『文正草子』の祝言が実現したのである。
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https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/KG/0023/KG00230R249.pdf

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