紀要論文 源氏物語における荘子受容 : 「浮生」と「空蝉」「夕顔」「浮舟」など

新間, 一美

23pp.67 - 87 , 2016-11-26 , 佛教大学国語国文学会
ISSN:13424254
NII書誌ID(NCID):AN10591104
内容記述
夕顔巻の冒頭で、粗末な夕顔の宿を見て光源氏は、「玉の台も同じことなり」と思った。ここの引歌「世の中はとてもかくても同じこと宮も藁屋もはてしなければ」は、偉大・長寿のものも卑小・短命のものも結局は同じとする荘子の万物斉同思想を表わす。一方、菅原道真の「小知章」詩は「斉后秋を知らず。…浮生日及休む」とその万物斉同思想を詠む。この短命を表わす「斉后」(蝉)と「日及」(朝顔)は、荘子の「ケイ蛄」(蝉)と「朝菌」(朝顔)に拠る。「夕顔」を「朝顔」の表現の拡張とみると、「斉后」と「日及」は「空蝉」「夕顔」の並びと一致し、その並びは荘子に拠るものと判断できる。「浮生」の語も荘子に拠り、「浮生」を生きる「浮舟」も荘子に基づくと言える。紫式部は荘子を利用して卑小・短命のものを登場させ、それが物語世界の幅広さをもたらしたのである
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http://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/KG/0023/KG00230R067.pdf

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