紀要論文 <研究論文>介護扶助の適正化における自立支援の有効性

今井, 伸

内容記述
高齢者世帯が半数以上の割合を示す生活保護制度において、介護扶助費の急増は深刻な問題である。平成12年度の介護扶助創設時と比較すると、介護扶助人員は5倍に増加した。生活扶助や医療扶助などの人員が2倍程度の増加にとどまっていることを踏まえると、決して見逃すことができない状況といえる。国は、複数回にわたり介護保険本体の適正化を強引に進めてきた。特に、サービス利用の大半を占める訪問介護と通所介護に焦点を当て、要支援者を始めとした軽度者を中心にサービスの利用抑制を行っている。一方で適正化には、生活上の課題を早期に発見し解決することや、介護予防やボランティア活動への参加を進めるなどの多様な支援が必要である。このことが、生活意欲や社会的有用性を高め、介護予防の意識化や要介護状態の進行を防ぐことにつながるからである。また、介護費用の削減にも効果がある。本論では、介護扶助費の大幅な削減に成功した自治体の事例を基に、介護保険の適正化のあり方について論じた。そこでは、被保護高齢者世帯に対して生活支援員を配置し、居宅訪問を通じて各種生活支援サービスや相談支援を行い、日常生活自立と社会生活自立へ向けた取り組みを積極的に展開している。まさに「転ばぬ先の杖」を具現化しているといえよう。介護保険の適正化のためにも、自立支援の体制整備が急がれている。
本文を読む

https://dcu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=573&item_no=1&attribute_id=45&file_no=1

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報