紀要論文 <研究論文>ノディングスのケアリング論から保育実践への認識論的,倫理的示唆 :受容性の概念に着目して

吉國, 陽一

内容記述
本稿は保育実践の認識論的,倫理的次元を理論化するための示唆を与えるものとして,ノディングスのケアリング論を受容性の概念に着目して検討することを目的とする。保育者の子ども理解という認識論的次元についての考察と子どもに対して何をなすべきかという倫理的次元の考察との関連を問うために,子ども理解と保育目的の形成との関連性を考察の中心に据えた。ノディングスのケアリング論においては受容としての共感がケアリングの基礎にあるものと考えられていた。受容のプロセスにおいては対象を自分の目的に即して変えることを目指す操作的,同化的なモードから対象をあるがままに理解する受容的なモードへの移行が必要とされていた。このプロセスを通して認識の主体は変容を被り,対象に対する応答としての「私はしなければならない」という責務が生じることが示唆されていた。ノディングスのケアリング論は保育者が子どもの理解に応じて保育目的を変化させ,新たな保育目的を形成していくプロセスを理論化する可能性を含意するものであった。最後に,ノディングスのケアリング論を通して得られた示唆を具体的な保育実践の理解へつなげるために津守真の保育実践記録の分析を試みた。ここではS夫という子どもを受容することを通した津守の理解の変化と,S夫への応答としての新たな保育目的(「私はしなければならない」)の形成過程を見た。
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