Departmental Bulletin Paper Symbolic Soundscapes : Clues to Salvation for Alex and Raskolnikov

ドライデン, いづみ  ,  Izumi, Dryden

Description
21世紀イギリス人作家兼作曲家アンソニー・バージェスの最も有名な小説『時計仕掛けのオレンジ』(1962)は、19世紀のロシア人作家兼哲学者のフョードル・ドストエフスキーの小説『罪と罰』(1866)に影響を受けて執筆された。両作品においては、言葉を伴う音楽即ち「歌」が主人公アレックスとラスコーリニコフの意識を変化させ、改心の道へと導く役割を担っていると考えられる。そういった状況は、両作品において表象的に音楽風景とともに描写されており、主人公達の音楽への反応は精神的死から救済への可能性を暗示している。音楽は主人公達の人間としての復活と再生を示唆しているのである。「歌」を聴くことは、換言すれば、他人の声に耳を傾ける行為である。主人公達は、作品に登場する特定の「歌」によって他人の声を聴くことを学び、人間として成長する。ここに、新約聖書によって生きることに「希望」を見出した両作家の意図が暗示されていると考えられる。
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