Departmental Bulletin Paper 父親男性のケア役割に関する一考察 : 最首悟の著作の解釈と分析から

加藤, 敦也

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本稿の目的は,ケア倫理に関する研究の中で,ケアの受け手に対する共感や配慮といった担い手の態度が称揚される際に,女性の思考法や価値観がそれらの態度に親和的であるとするジェンダー特性論について,父親男性のケアの実践という観点から問い直すというものである。 そこで本稿では,ダウン症であり,重度の重複障がいを抱える娘のケアについて一連の論稿を発表してきた生物学者であり,社会思想家でもある最首悟の著作を題材として,それらの論稿におけるケアをめぐる感情表現や葛藤の記述に着目し,ジェンダー研究の論点から解釈と分析を行った。 解釈と分析の結果,子どものケアに関する葛藤の記述には育児の負担を女性に押し付けているのではないかという反省的視点が最首の論稿に描かれているということ,また子どもとの関係性に涙を流すといった感情の吐露が描かれており,そこにはケアの理想的な担い手を女性とみなすジェンダー特性論を見直し,個別具体的な営為として,ケアと父親の関係性が考察されているという特徴があることを示した。
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http://repository.musashi.ac.jp/dspace/bitstream/11149/1833/1/soc_2016no18_04.pdf

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