学術雑誌論文 レーザー溶接したチタン材に対する加熱処理の有効性に関する研究
The influence of heat treatment on the fatigue strength of laser–welded titanium

三溝, 恒幸  ,  SAMIZO, TSUNEYUKI

41 ( 1 )  , pp.54 - 67 , 2015-06-30 , 松本歯科大学学会
ISSN:2188-7233
NII書誌ID(NCID):AA12684554
内容記述
補綴装置製作に,生体への親和性からチタンが多用されており,その修復および加工にはレーザー溶接が用いられている.しかし溶接された領域付近からの再破折を経験することがある.そうした中,チタン圧延材に一定の条件で熱処理を行うと疲労強度が有意に大きくなるという報告がなされた.本研究は,鋳造,機械加工,MIM(Metalinjection molding)の各製作法によるチタン材,およびレーザー溶接後のチタン材に対しても熱処理が有効であるかについて,疲労破壊に着目して検討を行った.試験片は,鋳造法,機械加工,MIM 法により,幅2 mm,厚さ1 mm,長さ30mm の試料を製作して用いた.レーザー溶接は,試験片を低速切断し,切断面を密着させた状態でレーザー溶接した.熱処理は試験片それぞれを4₅0℃の電気炉内にて40分間大気中で加熱を行った後,炉外にて放冷した.疲労試験は金属曲げ疲労試験器を用い,ひずみ量0.30mm の反復応力を加え,疲労破折までの回数を測定した.測定は熱処理を行ったものと未処理のものをそれぞれ₅ 個とした.また,溶接した領域付近の金属組織を観察するため,溶接した試験片を包埋し,研磨,エッチング後,金属顕微鏡にて観察した.また,MIM 法による試験片は,熱処理の有無による気孔率の比較を行った.硬さ試験は組織の観察後の試験片を用い,微少硬度計を用いて,荷重100gf,負荷時間10秒として溶接部周辺のビッカース硬さを測定し,熱処理の有無による違いを分析した.これらの解析により以下に示す結果が得られた.1 .鋳造によるチタンは,レーザー溶接の有無にかかわらず,熱処理による疲労破壊繰返し数に有意な差は認められなかった. 3 種のチタン材の中で,チタン鋳造体は,疲労破壊に対して最も弱かった.2 .機械加工によるチタンは,レーザー溶接の有無にかかわらず,疲労破壊繰返し数は熱処理により増大した.金属結晶が微細であり, 3 種のチタン材の中で,疲労破壊に対して最も強かった.3 .MIM 法によるチタンは,レーザー溶接の有無にかかわらず,疲労破壊繰返し数は熱処理により増大した.また,金属組織中に気孔が観察され,気孔に沿った破折が認められた.
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