紀要論文 暗記しないで簡単に理解できる単糖から糖鎖までの(生)化学
Fundamental (Bio)Chemistry of Monosaccaride to Carbohydrate Chain

多比良, 和誠  ,  二村, 泰弘  ,  加藤, 卓  ,  黒崎, 隆之  ,  内丸, 忠文

7 ( 2 )  , pp.159 - 177 , 2017-03-25 , 東京福祉大学・大学院
ISSN:1883-7565
NII書誌ID(NCID):Departmental Bulletin Paper
内容記述
血液中の糖(血糖)のほとんどを占めるグルコース(ブドウ糖)は、その置換基(-OH基)が全て、立体障害の少ないエクアトリアル位を占めているので、構造的に最も安定な“6員環・単糖”といえる。血中の余分なグルコースは、肝臓で重合されてグリコーゲンとなり、哺乳類にとって重要なエネルギー源として蓄えられる(陸上植物ではグルコースはデンプンとして貯蔵される)。グリコーゲンやデンプンの分解や重合を容易にするために、そのグルコース・ユニットはアルファ(α-)結合されている。α-結合の場合、非共有電子対(:)の位置が“常に”電気陰性度の高い原子・脱離基・求核種に対して180°の位置(app)になるからである。他方、同じグルコース・ユニットから構成される細胞壁や木材のセルロースは、分解や重合を繰り返す必要がないので、ベータ(β-)結合を利用している。構造的に最も安定な2糖はトレハロースであり、2個のグルコースがα,α-1,1-結合してできている。椎茸などのキノコ中に乾燥重量当たり10~25%も含まれており、別名“マッシュルーム糖”ともいわれる。高い保水力があり、食品や化粧品に使われたり、研究室でのタンパクの安定化に用いられたりしているが、その保水メカニズムについては不明な点が多い。つい最近、グルコース・トランスポーター(GLUT8)を介したトレハロースの細胞内取り込みが明らかになった。また、トレハロースによるオートファジー誘導で細胞内の老廃物が除去できるので、アルツハイマー病などの予防薬としても注目されている。トレハロースのアルファ(α-)結合の特徴からその謎に迫る。
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https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/11281/1/Vol7-2_6-2_%ef%bd%90159-177_taira.pdf

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