Departmental Bulletin Paper 乾孝の「伝えあい保育」論における人間=市民 ―言葉と社会のインターフェイスに着目して―
Inui Takashi’s Thought on early childhood education

吉田, 直哉

Description
心理学者・乾孝は、戦後、アメリカから我が国に紹介された「一方通行」のコミュニケーション理論を強く批判し、対等かつ双方向的なコミュニケーションが、保育において必要とされると主張した。彼によれば、人間の特色は、事象から、時間的、空間的に距離をとること、すなわち間接的な思考を、言葉によって獲得することにある。言葉が、思考を事象のくびきから解放することによって、言葉同士の関係づけによる思考実験が、自由に行えるようになる。 しかも、言葉は、他者と共有可能なものである。言葉を他者と共有するということは、言葉に凝縮されている思考や認識の枠組みを、他者と共有するということである。思考とは、「心の中での、そこに居合わせない仲間たちとの談合」にほかならないからである。 乾が提唱する「伝えあい」保育では、「心を割った話しあい協力の体験を幼いうちから培い、この原型が子どもの心に移って、とことん人間を信じて考えぬく姿勢をつくること」を狙いとしている。つまり、幼少期の集団内における「伝えあい」は、いわば相互的な外言として捉えられており、これが発達につれて、個人の思考過程として内面化されると乾は考える。 彼にとって、人間はそもそも集団的・社会的な存在であった。そのような性格は、「遊び」の中で活性化する。遊びこそが、「民主主義的主権者」の形成へ向けた、自己変革をもたらすと考えられているのである。
Based on Russian psychology and linguistics, a Japanese psychologist Takashi Inui thought that language has human beings to be able to think. From his point of view, ability to use language also has human beings to make relations to other people. In learning language, human beings get to acquire ways of thinking of other people. For Inui, this process advances in playing with other children and nurses in childhood.
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