Departmental Bulletin Paper 学童保育制度の全体構造に関する考察(1) ~教育制度論の視点からの学童保育制度概念の検討~

秋川, 陽一

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今日,学童保育は,小学校に就学している子どもに,放課後や長期の休業期間,安心・安全な遊びや生活の場を提供し,子どもの健全な育成を図る事業として,さらに,昨今,急激な少子高齢化が進行する中,「一億総活躍社会」「すべての女性が輝く社会づくり」などの“国家プロジェクト”を支える子育て支援の場として,その制度拡充への期待も高まっている.しかしながら,学童保育の制度的な条件整備は不十分であるといわざるをえない.このような状況を踏まえ,数多くの学童保育制度に関する研究や要望・提言が発表されてきているが,それらは学童保育制度を法制度としてのみとらえ,また,その個々の制度構成要素に言及するにとどまり,学童保育制度の概念規定やその制度の全体をどのようにとらえるのかに関する考え方が提示されてはいない.もちろん,そのような個別の制度構成要素に関する言及も意味がないわけではないが,「制度」が様々な構成要素によって成立し,その構成要素の有機的な結びつきによって協働し機能する,その全体的な仕組みを意味するのだとすれば,個別の制度構成要素に関する議論だけでは,全体としての学童保育制度の機能や意義・価値の判断ができないのではなかろうか. そこで,本稿では,「学童保育制度の全体構造をどうとらえるか」という問題について,長年,続けられてきた教育制度概念に関する原理的研究(とくに桑原敏明の教育制度論の視点)を援用する方法を用いて考察することを課題とする. なお,本号では,その序論として教育制度論の視点を論じつつ,それを援用した場合,どのように学童保育制度がとらえられるのか,その枠組みを示すにとどめ,その枠組みに基づく具体的な学童保育制度の内容とそこから導き出される検討課題に関する考察は,次号以降で行うこととしたい.
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