紀要論文 認知症高齢者が住み慣れた地域で暮らすために ~認知症鉄道事故から認知症高齢者が 不法行為を行った場合の責任を考える~
In order for the elderly with dementia to continue to live in a familiar neighborhood ~ Through a case study of an elderly person with dementia killed in a railway accident ~

有田, 伸弘

内容記述
平成19(2007)年2 月7 日,認知症高齢者が徘徊し線路に立ち入り,列車に衝突して死亡する事故が起こった.かかる事故に関して,鉄道会社が,その認知症高齢者を介護してきた家族に対して起こした損害賠償請求訴訟についての判決が,平成25(2013)年8 月9 日に名古屋地裁において,また,平成26(2014)年4 月24 日に名古屋高裁でくだされた.いずれも,当該認知症高齢者を介護してきた家族の責任を認めるものであった.判決については,多くの法学者からは,いくつの疑問点が指摘されてはいるが,損害の公平な負担等から考えて現行法の解釈としては概ね妥当な判決であると評されている一方,介護現場からは介護の実情を理解していない判決だとの批判が浴びせかけられている.最高裁では,控訴審判決は見直されるものと思われる. しかし,そもそも当該事件で問題となる民法714 条は,「家制度」の思想に沿革を求めうるものであり,核家族化した「現代の家族」,そして,高齢化の進展した「現代の社会」にはふさわしくないものであると思われる.本稿では,「法は社会規範であり,社会構造が変化すれば当該社会にふさわしい法制度に改正する必要がある」との考えから,現代の社会構造の変容を概観したうえで,認知症高齢者が他害行為を行った場合の責任について,見直しの必要性を明らかにする.
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