Journal Article 高度実践看護師の裁量権拡大に関する都市圏訪問看護師の認識

大釜, 信政  ,  渡部, 優子

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政府(2014年時点)は、要介護状態になった場合でも住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられる「地域包括ケアシステム」の具現化を提言した。更に、2014 年6 月に公布された医療介護総合確保推進法に基づき、地域における医療及び介護の総合的な支援サービスの確保に一層の力を注いでいる。この法律の中には、特定行為を手順書により行う看護師の研修制度に関する内容も盛込まれている。地域包括ケア研究会は、『医療・介護・予防の一体的な提供』をケアシステムにおける構成要素の一つとする。長期ケアが求められる要介護者については、疾病管理と日々の生活を支える介護の双方が必要になる旨に言及し、医療・介護の連携を特に必要とする場面として、「介護予防」、「重度化予防」、「急性疾患への対応」、「入院・退院支援」、「看取り」、の5 つを挙げている。従って、在宅医療サービスを担う訪問看護師の位置づけは、地域包括ケアシステムを構築する上で重要になる。その一方、緊急対応を含め24時間365日のサービス提供体制が不十分な点や、看護師・医師間での診療に関する情報の流れが必ずしもスムースではない点等の、訪問看護を含めた在宅医療サービスの提供体制に関する課題が指摘されている。こうした中、東京都や大阪府などの都市圏で急激な高齢化が進み続けている。筒井は、地域包括ケアシステムを成功に導くための人材像を示している。その一部は、①医療と介護の2つの領域の知識・技術を具備した人材、②病態を正確に捉えた上でサービス内容を導き出せる人材、③患者に対してスーパーバイズが行える人材、である。地域包括ケアシステムで、裁量権を拡大した高度実践看護師を活用する意義は高いと考えられる。なぜなら、そのタイプの看護師は、筒井が示す3つの機能を全て具備した人材に該当する為である。地域包括ケア研究会の示唆する医療・介護の連携において、従来の看護は既に大きな役割を担っており、その機能を兼ね備えた高度実践看護師によるコーディネーションにも期待できる。しかし、その裁量権拡大については、①安全性を懸念する声の存在、②安全性の高い医行為を担い得るための高度実践看護師養成カリキュラムの在り方、③医師による何らかの指示の必要性、④高度実践看護師の医行為責任の所在は如何様にすべきか、等の課題を残す。本研究は、在宅医療現場で高度実践看護師を活用するための、基礎的資料を得ることを目的として実施した研究の一部である。本稿では、高齢化の著しい東京都や大阪府で在宅医療サービスに携わる訪問看護師を対象とし、医師との業務連携状況に関する認識に加え、高度実践看護師を在宅医療の現場で活用することを想定した場合の、①賛否、②医師からの指示の必要性と責任所在、③必要性の高い医行為内容、の認識調査を実施し、この結果について論考する。
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