紀要論文 ソフトな予算制約と非対称的な財政支援
Soft Budget Constraint and Asymmetric Bail- out

李, 友炯

内容記述
本稿の目的は地方分権下で地方政府の公共財に対する過度な財政支出に対し,中央政府がどのように対応したほうが望ましいかについて理論的に検討することである。具体的に,人口規模が異なる2地域によって構成されるある経済を想定し,地方公共財を最適資源配分を実現する水準を超えて過大供給する地域に対して中央政府が事後的にその超過分を補助するか,また補助するならその対象を該当するすべての地域にするかあるいは一部の地域のみにするかについて社会厚生の観点から比較分析することによって中央政府の望ましい政策のあり方について検討する。 本稿の主要結果としては,先行研究と同様にすべての地域にハードな予算制約を適用するとき社会厚生が最大になり,このとき実現される社会厚生は最適資源配分を達成させることである。ただし,このような結果が常に成り立つのではなく,場合によっては一部地域にはソフトな予算制約を導入したほうがむしろ社会厚生を改善できるということを示せたのが本稿の貢献であろう。本稿で導いたこの例外的な結果は次の条件を満たすときに成立する。すなわち,ソフトな予算制約を適用する地域の相対的人口規模が十分大きく,なお公共財の相対価格が一定の範囲内に存在することがその条件である。
In this paper, we investigate the behavior of central government for the excess fiscal expenditure of local governments. We assume an economy composed with 2 regions varying in population size. The central government has 2 options when local government decides on borrowing for the over-providing local public goods ; to bail out or not. The main results are as follows. Even though the hard budget constraint by central government attains the highest level of social welfare, this general belief is not supported under some conditions. That is, applying soft budget constraint to a certain region might improve the social welfare rather than the case of hard budget constraint. The conditions are that the region should have relatively large population size and the relative price of public goods should be a certain range.
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