学位論文 非線形数値シミュレーションによるせん断流れが持つ交換型不安定性の抑制効果の検証

大坪, 隼弥  ,  オオツボ, ジュンヤ  ,  Ootsubo, Junya

pp.1 - 42 , 2016-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
流体がせん断流れの中にあるとき,流体の示す様々な変動が抑制されることが線形理論により知られている.そのような変動として交換型不安定性がある.線形理論において,せん断流れの下で交換型不安定性が抑制される条件はすでに知られている.本研究の目的は,非線形性を導入した場合にも同様に抑制が見られるかを非線形シミュレーションにより検証することである.本研究では,2次元非圧縮流体について渦度方程式と連続の式を導出し,非線形シミュレーションを行うことで,せん断流れ中の交換型不安定性の非線形な振る舞いについて調べた.非周期的なせん断流れを考えると,周期境界条件をそのまま用いることはできない.そこで,中心計算領域に対して隣接領域がせん断流れにあわせてずれていくことで周期性を保つ shearing box 境界条件を用いた.線形理論で不安定性が抑制されるパラメータにおいて,密度の初期擾乱を変更しながらシミュレーションを行った.1 つの波数で表される初期擾乱を与えた場合,線形理論と一致する結果が得られた.一方,同じ初期擾乱に複数の波数成分からなるノイズを加えてシミュレーションしたとき,2次的に発生した Kelvin-Helmholtz 不安定性が成長し乱流となった.本研究では,線形理論における抑制条件の下でも非線形シミュレーションでは抑制されない場合があることが確認された.今後の課題としては,基本擾乱の振幅とノイズの大きさを変えながらシミュレーションを行って抑制の有無を観察し,非線形シミュレーションにおける抑制条件を示すことが挙げられる.また,本研究で行ったシミュレーションでは空間解像度が粗く乱流に対する継続的なシミュレーションは行うことができなかった.解像度を上げてシミュレーションを行い乱流になった後の振る舞いを観察することも今後の課題である.

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