Thesis or Dissertation 連続力学系におけるホモクリニック軌道の精度保証による検証について

山野, 駿  ,  ヤマノ, シュン  ,  Yamano, Shun

pp.1 - 37 , 2016-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
本論文では,与えられた常微分方程式で記述される連続力学系がホモクリニック軌道を持つことを,精度保証の技法を用いて検証する方法について論じる.この方法が適用できれば,問題としている力学系にホモクリニック軌道が存在することが数学的に証明され,かつ,その存在範囲が特定されてホモクリニック軌道を捕捉することが可能となる.常微分方程式で記述される連続力学系において,右辺が時間変数tを陽に含まないとき,これを自励系という.また,自励系において,方程式右辺の零点x*を不動点と呼ぶ.時刻t=0で初期点xから出発する解軌道φ(t, x)のうち,時刻が正の無限大に向かう時と負の無限大に向かう時,ともにx*に収束するものをホモクリニック軌道と呼ぶ.この軌道が異なる不動点の間で形成される場合には,これをヘテロクリニック軌道と呼ぶ.与えられた力学系がホモクリニック軌道を持つかどうか分からない場合に,その存在自体を検証する方法を考える.ここでは,k個のパラメータを導入して力学系の集合を扱い,その集合の中にホモクリニック軌道を持つ力学系が存在することを示す.これが本論文におけるホモクリニック軌道の捕捉の意味である.なお,検証が成功すれば,ホモクリニック軌道の空間的な存在範囲も特定できる.パラメータの個数kは,扱う力学系の不動点の特性によって定まる.k=1の場合については,Lyapunov関数を精度保証で構成した上で,中間値の定理を適用する検証法が松江・山本によって示されている.k=2の場合,もはや中間値の定理は利用できないが,写像度の議論を用いた新しい検証法の理論的準備が松江・山本により整えられている.本論文では,この理論の実際の適用を試みることを目的とする.例題に則して理論の整理を行った後,ホモクリニック軌道の精度保証による検証を行い,その存在を証明するとともに存在範囲を特定する.

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