Thesis or Dissertation 多線条線路理論を用いた車載ワイヤーハーネスの特性評価モデル

山村, 光卓  ,  ヤマムラ, ミツタク  ,  Yamamura, Mitsutaku

pp.1 - 107 , 2016-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
本論文では、近年注目度が高まっている、自動車におけるEMC(ElectroMagnetic Compatibility)問題に焦点を当て、特に、電子制御を行うマイコンや電子機器類を相互に接続するワイヤーハーネスに注目している。EMCを考慮したハーネスの配線設計のためには、実機によるテストの繰り返しや、CADによる3次元電磁界シミュレーションが行われるが、いずれもコストや時間を要してしまうという問題がある。そこで本論文では、配線設計を簡易に行うための、多線条伝送線路理論による特性評価手法を提案している。提案手法では、まずハーネスを伝わる信号やノイズの波長に比べて十分に短い区間に分割し、各区間におけるトランスヴァース面の形状から、提案近似式を用いることで等価回路化する。次に、各区間の等価回路について成立する電信方程式を、状態変数法やモード分解法といった多線条線路理論の手法で解き、縦続行列を得る。そして、各区間の縦続行列をカスケードすることで、ハーネス全体を回路網として表現する。本論文では、ハーネスのEMC問題で重要となる300 kHz~1 GHzの周波数範囲において、実測や電磁界シミュレーションの結果と比較検討を行い、提案手法の有効性を確認している。まず、配線条件の変化するツイストペアケーブルをモデル化し、撚りピッチ一つを10~20区間に分割して状態変数法を用いれば、あらゆる配線条件に対して提案手法が適用可能であることを示した。次に、太さの異なる2本線路系と、グラウンド面からの配線高が連続的に変化する3本線路系をそれぞれモデル化して、いずれにおいても提案手法の有効性を確認し、また、モード分解法を用いて、独立・直交な各伝搬モードについて検討した。さらに、より実際のハーネスに近い系への応用として、途中に分岐を含む線路系の伝送特性と、配線上の不平衡が要因となって生じるコモンモード電流の評価を行い、ハーネスの配線設計問題における提案手法の適用可能性を提示している。

Number of accesses :  

Other information