Thesis or Dissertation 単一ドップラーライダのためのパラメトリック風速ベクトル推定法

増尾, 崇幸  ,  マスオ, タカユキ  ,  Masuo, Takayuki

pp.1 - 59 , 2016-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
ドップラーレーダは受信信号の周波数偏移量を抽出して,観測領域の風向・風速を高分解能に推定できるため,空港周辺の気象監視等への応用が考えられる.しかし,レーダは降水粒子や雲粒子からの散乱波を計測するため,晴天時には運用が困難であった.一方,発振源安定化技術の向上により,波長数マイクロメートルのレーザ光を用いるドップラーライダの風向・風速観測システムへの応用機運が高まっている.同システムは,大気中の微粒子(エアルゾル) からの散乱波を利用するため,晴天時の観測が可能である.単一のドップラーライダで風向・風速を推定する手法に,VAD(VAD:Velocity Azimuth Display)法,VVP(VVP:Velocity Volume Processing)法がある.両手法は,局所的な観測領域における風の一様性や線形変化を仮定することにより,風速ベクトルを推定する.しかし,これらの方法では竜巻のように風の変化が顕著な場合においては,大きな推定誤差を生じる問題があった.同問題に対し,筆者は相関領域を風速場に応じて自動最適化機能を持つ拡張VAD法を考案し,これにより風向・風速の推定精度が向上することを明らかにした.しかしながら,実用化するためにはさらに推定精度を向上させることが必要であった.本研究では,推定精度向上を目的として,風速場を数理モデルで表し,モデルのパラメータを同定することで,風向・風速推定する方法を提案する.本手法は,乱気流モデルごとに設けた評価関数の最適化により風速パラメータを推定し,最適パラメータ時の評価関数値の比較により観測領域の乱気流を決定する.ここでは,多峰性を有する評価関数を導入するため,大局的な探索法として知られる粒子群最適化(PSO:Particle Swarm Optimization)を用いて最適化の精度向上を図る.数値計算に基づく性能評価により,本研究の有効性を確認する.

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