Thesis or Dissertation 医療機関へのフィードバックを促す相談事例集作製と効果

三宅, 創  ,  ミヤケ,ツクル  ,  Miyake, Tsukuru

pp.1 - 66 , 2016-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
【目的】全国380箇所に設置された医療安全支援センター(センター)では年間約9万件の医療に関する苦情相談に対応している.医療安全支援センター総合支援事業はセンター相談員の相談対応力向上を目的とした相談事例集を作成している. しかし,従来の事例集は医療機関との情報共有が不十分であり,相談事例の利活用の観点で問題があった.本研究では,医療機関へのフィードバック(FB)につながる事例集の作成を試みた.【方法】事例集を4回作製する. 事例集案Ⅰ)全国から収集した相談事例の中から,医療機関へのFBが必要と考える事例を抽出し再編集する. 事例集案Ⅱ)事例集案の使用所感を向上させる. 事例集案Ⅲ)FBを促す項目を重点的に作製する. 新事例集)全支援センターに配布する事例集に仕上げる.【結果】事例集案Ⅰ)25件の事例を抽出しFBの観点から5種類に分類した.SBARを用いた解説を加え,再編集した.相談員に対し使用所感調査をし,問題点を洗い出した. 事例集案Ⅱ)優良な事例を「モデル事例」とした.項目をSBARの流れに準じたものに変更.医療関係者に対し使用所感調査をした結果,概ね満足していたものの,SBARに関しての知識は少なかった. 事例集案Ⅲ)FBを促す項目として.「M-Map」と「原因バー」を考案.各事例のFB方法として「限定FB」と「広域FB」に分類.相談員と医療関係者に対して,使用所感と有効性に関する調査をした.「M-Map」と「原因バー」に関しては理解が及んでいなかった. 新事例集)改良を加え事例集の形に仕上げた.【考察】FBの利点とやり方を学び,定着させる教材として本事例集は作製された.SBARの取り入れ「M-Map」と「原因バー」の考案は,相談員が自主的に実施するようにするためである.なぜならFBの方法は全国一律ではなく医療機関の規模や地域特性によって異なり,その対応やFB内容も変化させる必要があるからである.更に,紙事例集を補佐するものとして,FBの実績や有用な事例を収集し,公開する仕組みを備えたウェブ事例集は最新情報を加えられるので効果的であると予想される.

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