学位論文 コンパクトスキームとコンパクトフィルタの組み合わせの空力音響非線形問題への適用性評価

若松, 裕紀  ,  ワカマツ, ユウキ  ,  Wakamatsu, Yuki

pp.1 - 113 , 2015-09-30 , The University of Electro-Communications
内容記述
空力音や衝撃波は,騒音の原因となる環境問題であり対策が必要とされている.数値計算により音波の発生のメカニズムと伝播する音波を同時に捉える計算法(計算空力音響学)として,非定常圧縮性流れでの微分の計算に適した高解像度性の特徴を持つコンパクトスキームを用いることが有効である.しかしながら,数値境界条件や非定常衝撃波や急峻な波動現象の捕獲を含む非定常流れ場の計算方法における課題があった.そこで, 本研究では,課題である数値境界条件と衝撃波や急峻な波動の伝播や減衰にかかわる非線形問題に対して,コンパクトスキームとコンパクトフィルタの組み合わせの潜在力を生かした具体的な計算手法を提案した.特に壁面近傍に真の物理的音響ソースを持つ数値境界条件の問題点を研究し,その克服法を研究した.また,コンパクト有限差分スキームにおいても不連続領域をまたいで差分ステンシルを設定するときにギブス現象が発生するが,その克服と不連続な波動現象の急峻さを従来の衝撃波捕獲スキームより精度よくとらえる計算法を研究した.以下に本論文の構成について述べる.第1章では,本研究の概要,構成について述べる.第2章では,コンパクトスキームとコンパクトフィルタについて述べる.コンパクトスキームと境界に適したコンパクトスキームとの組み合わせについて計算手法を示し,その組み合わせによる空力音の計算に与える特性ついて述べる.これまでに提案された各種境界スキームでは,精度,解像度,安定性の面から検討がなされているが,空力音の数値計算に適用した事例はないので,各種境界スキームを実装しスキームの解像度に着目して問題点を明らかにし,境界近傍に真の物理的音響ソースをもつ空力音計算に適切であると考えられる組み合わせを示した.第3章では,境界近傍に真の物理的音響ソースをもつ場合に,境界近傍でのフィルタの取り扱い(Visbal and Gaitonde(1998)およびGaitonde and Visbal(2000))を空力音の数値計算に適用した場合の問題点を明らかにし,空力音計算に適切であると考えられる組み合わせを示した.第4 章では,流体から発生する波動の伝播の非線形現象として代表的な衝撃波にコンパクトスキームとコンパクトフィルタの組み合わせの計算手法を適用した場合について示す.その評価によって欠点を最小化できることが見出されたコンパクトスキームとコンパクトフィルタと近年注目されている局所人工拡散スキームとの結果を比較し,この計算手法が局所人工拡散よりも衝撃波にシャープさを増す一定の長所を作り出すことを見出した.第5 章では,本研究で得られた主要な成果を総括している.
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http://ir.lib.uec.ac.jp/infolib/user_contents/9000000814/9000000814.pdf

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