Thesis or Dissertation 入力状態安定性を保証する量子化入力による宇宙機のモデル予測制御

淺川, 岳也  ,  アサカワ, タケヤ  ,  Asakawa, Takeya

pp.1 - 89 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
本研究は,宇宙機の大角度姿勢変更によく用いられるスラスタ・クラスタ(RCS)による最適制御を目的としている.RCS は,角運動量の交換装置であり連続値制御入力を発生するリアクションホイール(RW)に比べて発生できるトルクが大きいという長所をもつ反面,オンオフの2値となるトルクのみを生成する非線形アクチュエータであることが最適制御設計を困難としてきた.そこで,ここでは整数二次計画問題の解法によるモデル予測制御の適用を考え,入力状態安定性(ISS)を達成するアルゴリズムを構築する.そして,数値シミュレーションおよび実験でその有効性を示す.各章の構成は以下となっている.まず1章で研究目的・問題設定の記述を行い,2章で線形時不変(LTI)の宇宙機を対象にして,RWによる連続値入力,RCSによるオンオフ入力の双方について閉ループ系を安定とする終端拘束行列が満たすべき条件を線形行列不等式(LMI)として導出する.このうち連続値入力の条件は従来の漸近安定となるためのリカッチ方程式条件を包含する一般化された条件であること,オンオフ入力の場合は漸近安定ではなくISS条件であることを示す.そして,RWとRCSの組み合わせ使用によって,宇宙機の高速かつ漸近安定な大角度姿勢変更が可能となることを数値例を用いて検証する.さらに得られた結果は多段の量子化入力に拡張できることを示す.また衝突回避機能をもつ軌道上フォーメーションのような宇宙システムへの適用結果を述べる.3章では,これらの結果を宇宙機がパラメータ変動を持つ線形パラメータ変動(LPV)系である場合に拡張して,やはり端点モデルに対する連立LMIから求めた共通解を終端拘束に用いることでISSを保証できる事を示す.更に動的なモデル誤差に対してロバスト安定なモデル予測制御則を提案する.これらの結果を用いることによって,宇宙機本体に対して回転する大型柔軟な太陽電池パネルなどをもつ現実的な宇宙機の量子化入力によるモデル予測制御が可能となる.大型人工衛星ETS-VIIIの数値例を用いてその有効性を示す.4章では,静空気圧で浮上させた1 軸回転自由度を持つエアステージの実験装置を用いた上述のオンオフ入力によるLTI,LPVおよびロバストモデル予測制御の実験結果を報告する.実験の目的は,モデル予測制御のオンライン最適化計算を市販の計算機に実装可能であるかを検証することであり,いずれの場合にも妥当なサンプリング周期で実現できることを明らかにする.5章は,結論と課題であり,宇宙システムのオンオフ制御に対する展望,宇宙開発以外の分野への応用可能性について述べる.最後に,宇宙機の運動方程式,入力状態安定性など基礎的な事実を付録に一括してまとめる.
Full-Text

http://ir.lib.uec.ac.jp/infolib/user_contents/9000000792/9000000792.pdf

Number of accesses :  

Other information