学位論文 スケジュールの最適化に用いる評価関数に関する研究

鈴木, 修太郎  ,  スズキ, シュウタロウ

pp.1 - 90 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
多品種少量生産を実現するための生産システムとして、FMS(Flexible Manufacturing System)がある。FMSでは、同一の工程を複数のワークセル(以後セルと呼称)で実行できるようにすることで、多様な製品の生産の実現に加え、特急品の生産や機械の故障などにも柔軟に対応することができる。効率よく生産するためには工程ごとに適切なセルを用いる必要があるが、工程を担当するセルが変わると工程処理時間が変化する。そのため、少品種大量生産のように稼働率を上げてもリードタイムが一概に短くなるということが言えず、多品種少量生産に適した工程スケジュールの評価方法を用いる必要がある。 工程スケジューリングに木空間探索を用いることで工程スケジュールの評価方法の値をもっとも良くする最適解を得ることができる。しかし、スケジューリングの規模が大きくなると最適解を見つけることが難しくなる。従って、部分解の評価を行い、解となる可能性が低い選択肢を切り捨てることが有効である。この部分解の評価は、工程スケジュールの評価方法に適合している必要があるが、これまで本研究室のスケジューラでは部分解の評価にヒューリスティックな知識に基づいた評価方法しか用いられていなかった。 そこで本研究では、FMSを用いた多品種少量生産の「工程スケジュールの評価方法」(以後評価指標と呼称)と、それに適合した「木空間探索中に部分解の評価に用いる評価方法」(以後枝刈り関数と呼称)について考察した。 本研究では、評価指標として「リードタイムの総和」と「リードタイムの2乗の総和」を提案し、評価指標に適合した枝刈り関数と、評価指標を近似的に良くする枝刈り関数を提案した。少品種大量生産では「稼働率」もリードタイムと同じく工程スケジュールの評価方法として使われてきた。本研究では、稼働率を見直した結果、リードタイムの短縮と稼働率の上昇、低下に関連性がないことを示し、稼働率を評価指標として用いないこととした。 実験では提案した枝刈り関数とこれまで使われてきたヒューリスティックな枝刈り関数を用いて生産オーダーの納期の条件を変えて工程スケジューリングを行った。その結果、生産オーダーの納期の条件によっては提案した枝刈り関数を用いることで既存のヒューリスティックな知識に基づく枝刈り関数を用いるよりも良い解を得ることができた。加えて、生産オーダーの納期の条件によって良い解を得ることができる枝刈り関数が変わることが分かった。

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