学位論文 人工衛星によるELF/VLF帯電波観測を用いた全球雷の空間分布および電気的特性に関する研究

阿部, 利之  ,  アベ, トシユキ

pp.1 - 60 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
我々の研究グループでは低高度人工衛星DEMETERで観測された雷起源のホイスラ波動の長期解析により、電離層透過係数を考慮した、雷放電源位置の世界分布を導出している。先行研究では、より統計的な解析を行うため、衛星の観測エリアをグリッドで区切り、6年分の落雷数および落雷電磁波強度の分布図の導出を行った。その結果、三大落雷領域を中心に活発な雷活動領域を確認できたが、領域ごとのより詳細な電気的特性を導出するために、発生頻度の導出や電磁波強度の領域での比較、地上観測データとの対応を見る必要があると考えた。そこで本研究は人工衛星による電磁波動観測を用いた雷活動の発生頻度および電気的特性の導出を目的としている。一般に、ELF帯、VLF帯による観測ではそれぞれ電荷モーメント、ピーク電流の高い雷が観測できる。したがって緯度3°×経度3°の領域における世界の落雷発生頻度、電磁波強度の2つの周波数帯における季節変化を観測した。さらに、北米、カリブ海、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、東南アジアの領域における落雷電磁波強度を導出、その中で電磁波強度の大きい領域を比較し、どの領域において落雷の電磁エネルギーが卓越しているか調べた。また、地上で観測されたスプライトと呼ばれる中間圏発光現象と衛星観測で得られたこれらのスプライトを発生させた雷起源のホイスラを照合し、スプライトを伴う雷の電磁波強度を調べた。解析の結果、電荷モーメントの大きい雷は主に内陸部、ピーク電流の大きい雷は沿岸部を中心に卓越して発生していることが分かり、スプライトはELF帯において非常に大きな電磁波強度を持つ、つまり電荷モーメントの大きな雷に伴って発生するという事が分かった。

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