Thesis or Dissertation Android向けUnityアプリケーションのクラウド化

高橋, 悠  ,  タカハシ, ユウ

pp.1 - 54 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
Description
本研究では,ゲーム開発エンジンであるUnity3Dをクラウド化するシステムを開発し,スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末用のゲームアプリケーションを快適に動作させることを目的とする.Unity Mobile Streamingと名付けたこのクラウド化システムは,Unityで作成されたゲームをサーバとクライアントに処理を分け,Androidクライアントからの入力を受けてサーバ上で演算処理を実行し,その結果を映像として返すことでクラウド化を実現する.スマートフォンやタブレットといった多機能型モバイル端末の普及が急速に進んでおり,同時にそれらのモバイル端末でゲームを遊ぶユーザも増えている.また,ゲーム開発環境の整備も進んでおり,特にゲームエンジンおよび統合開発環境であるUnity3Dは,「マルチプラットフォームに対応している」,「直感的な編集操作が可能である」,「簡単に物理演算が使える」といった利点から,企業・個人を問わず多くの開発者に支持されている.一方で,モバイル端末OSとして最もシェアを持つAndroidには,製品によって処理性能に大きな差があり,Unityの特徴である3Dグラフィックや物理演算が活かしきれない事が多い.そこで,Unity Mobile Streamingによってクラウドゲーム化することによりAndroidOS搭載端末の問題による影響を軽減し,ゲーム開発者はより自由に開発が行えるように,ゲーム利用者はより高品質なゲームを楽しめるようになることを目指す.Unity Mobile Streamingの性能について,Unityで開発したアプリケーションをAndroid端末単独で実行した場合とUnity Mobile Streamingを通して実行した場合で比較し,実用性の評価を行った.アプリケーションの実行速度については多粒子の剛体衝突シミュレーションによって性能評価を行ったところ,1024粒子までは通信による遅延時間の影響が大きかったが,2048粒子では1.28倍,4096粒子では2.8倍高速に実行できることが示せた.また,通信による遅延時間による影響については,現状では270ミリ秒と大きく,快適にゲームがプレイできるとは言いがたい.しかし,通信遅延を肥大化させている原因は開発環境の制約によるところが大きく,その制約を受けないWindows8.1端末で実験したところ,140ミリ秒まで削減することが出来た.すなわち,本システムによって,厳密なリアルタイム性の必要ないゲームジャンルであれば,十分快適にプレイ出来る性能が出ていると言える.

Number of accesses :  

Other information