学位論文 高調波リアクティブ終端型高効率GaN HEMT増幅器の電力効率と動作帯域に関する研究

矢尾, 知博  ,  ヤオ, トモヒロ

pp.1 - 50 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
近年の無線情報通信技術の急速な発展に伴い、情報通信に用いられる電力増幅器に要求される線形性、効率、帯域、等々の性能向上も厳しさを増している。高効率化に関して、我々の研究室ではこれらの手法に比べ高調波処理が比較的容易な方法として、個別トランジスタに対して最適な高調波リアクティブ終端を施す設計手法を提案している。しかし、一般的に高効率化と広帯域化はトレードオフの関係にあり、高効率増幅器は帯域が狭くなる傾向がある。本研究ではまず、入力側は2倍波、出力側は3倍波までのインピーダンスをリアクティブ終端した10W級および30W級リアクティブ終端型GaN HMET増幅器の試作を行った。試作した増幅器において最高効率が得られた周波数から30MHz程度微小な周波数変化により20%程効率が低下し、結果、狭帯域となる現象が確認された。この現象の原因調査と動作帯域の拡張を行った。原因調査では、3次までの高調波に対しソース・ロードプルシミュレーションを行うことで高調波インピーダンスが効率に与える影響を調べた。その結果、入力側2倍波インピーダンス値が急激な効率低下現象を引き起こすことが分かった。さらに、トランジスタの入力側寄生容量の値を小さくすると、入力側2倍波インピーダンス値の変化に対する効率の変動が緩やかになることが確認された。このことから、急激な効率変化を抑制するためには入力側寄生容量を小さくすることが重要であることがわかった。そして、入力側2倍波インピーダンスを急激な効率低下が発生するインピーダンスを動作目標周波数で避けるように設計することで、動作帯域を拡張する改良を行った。その結果、改良前は付加電力効率60%以上が得られた帯域は1.9?2.03GHzの130MHzだったのに対し、改良後は1.85~2.11GHzの260MHzと改良前の2倍の広さの帯域が得られた。

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報