学位論文 狭域交通情報共有のための車車間通信における車両位置情報に基づく効率的な中継転送方式の提案

吉川, 潤  ,  ヨシカワ, ジュン

pp.1 - 120 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
近年,日本では人々の生活において重要な交通手段である自動車とその交通事情は高水準な道路建設と安全対策の進展によって快適性と安全性が増してきている.しかし,平成24 年のデータによると交通事故の発生件数66 万件,負傷者数82 万人,死者4000 人と他の交通機関である鉄道,飛行機,船舶と比較すると依然として安全とは呼べない水準である.問題はそれだけではなく,通勤時間帯における交通渋滞も深刻で,大規模な渋滞が慢性的に発生し経済的な損害と環境に悪影響を及ぼしている.この様な現状を受けて,社会への貢献のテーマとして自動車による移動の,快適性・安全性・エコロジーを挙げる.そこで車車間通信を用いて,渋滞情報や急ブレーキ情報,緊急車両情報などのあらゆる情報を車両間で共有することで,自動車の快適性と安全性の向上,環境汚染の低減を実現したい.そのため筆者は,車車間通信により渋滞や事故等の狭域な交通情報を周辺車両で効率的に共有させるためのパケット中継転送方式の検討を行った.従来からのパケット中継転送方式では,中継時にほぼ同じ地理的な位置に存在する複数車両の通信が衝突するという問題点があり,筆者らはこの問題を解決するため,実用化が進みつつある700MHz帯の電波を使った安全運転支援システムにより車両間の位置情報が周辺車両で共有されることを想定し,それに基づいてほぼ同じ位置に存在する中継車両候補の送信順序を明確に区別し中継の衝突を抑制する方式を考案した.加えて,提案方式では交差点車両に対する特別な優先度の割当てや,通信混雑時には中継車両台数を限定する機能を検討した.提案方式に対して都市部の交通を模したシミュレーションを行った結果,既存方式よりも最大で拡散率が35%向上し,通信回数を20.5%削減,加えて,遅延時間も最大で55.3%削減することができた.最後に,提案方式の評価で得た知見から,今後の課題や展望を述べる.

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