学位論文 STRAIGHT アーキテクチャへのレジスタキャッシュ適用による電力削減効果

山中, 崇弘  ,  ヤマナカ, タカヒロ

pp.1 - 35 , 2015-03-25 , The University of Electro-Communications
内容記述
情報社会を支えるマイクロプロセッサは, 半導体技術の成長に伴い成長を続けている. チップ上のトランジスタ数は集積技術の発展に従い増加しており, アーキテクチャ技術はこのトランジスタ資源の利用により, 成長を続けている. 2000 年頃よりプロセッサは電力, 配線遅延などの問題が指摘され, 従来のパイプライン幅や発行実行幅に利用していたトランジスタ資源は, コア数やメモリ帯域に挙げられる様なプロセッサ自身の実行部分に活用してきた. しかしコア数増大のアプローチによるメニーコアプロセッサにも性能向上面において限界が訪れようとしている事が指摘されている. 加えてチップ上のトランジスタを全て駆動する事が出来ない, 所謂ダークシリコン問題があり, メニーコアプロセッサの様にコア数増大のアプローチを続けると, チップ上のトランジスタの過半数が同時駆動されない事が予想されている. 加えて, 従来のアーキテクチャを根本的に転換し, プロセッサの成長戦略を続けていくためには各コアのシングルスレッド実行する性能を上げつつも電力は抑える事が求められている.そこで我々はこのダークシリコン問題を打破する性能/電力比を得る為に, 制御を軽量化しつつも高いシングルスレッド能力を有する STRAIGHT アーキテクチャを提案している. STRAIGHTアーキテクチャはライトワンスマナーに従う十分な論理レジスタ空間を持つ事で, 従来のプロセッサにおいて主要な制御であるレジスタリネーミングを排除する. 更に豊富な物理レジスタを持たせる事で, 電力のオーバヘッドであるフリーリスト管理から解放される. また, 命令ウィンドウ幅の拡張による演算器の稼動率向上を狙いシングルスレッド性能の向上を目指す. このSTRAIGHT アーキテクチャは初期評価で 30%の向上を示し, 性能/電力は 18%の向上を示した.しかしこれはあくまで既存のプロセッサを STRAIGHT に見立てて行った評価である.本研究では STRAIGHT 専用のシミュレータによる詳細な評価の中で, STRAIGHT アーキテクチャにおいて電力のオーバヘットであるレジスタファイルとスケジューラの最適化に関して評価を行う. レジスタファイルに対しては, バイパスネットワークによるレジスタ値の再利用を補助するレジスタキャッシュの導入により, レジスタファイル自体の消費電力を 33.1%削減し, スケジューラに対しては, マトリクススケジューラを適用する事で消費電力を 47.4%削減した. またこの 2 つの手法の採用により, 実行部分の電力を 33.9%削減する結果となった.

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